こんにちは、ハヤスタの小原です。
今回は、アンゴラ大使館からご依頼いただいた、木彫作品の修復についてお話しします。
以前にもアンゴラの木彫修復を行いましたが、今回届いた作品は、また少し違う難しさと、深い物語を感じるものでした。
アンゴラ大使館から、また依頼が来たんですね。

そうなんです。以前の修復を見てくださって、今回もご相談いただきました。
今回修復することになったのは、赤ちゃんを抱きながら、背中に重い薪を背負って歩く母親の木彫です。
長い年月の中で、左手の部分が折れてしまい、その部材自体も紛失していました。

「見えない形」を想像する仕事

家具修理の場合は、元の形がある程度わかることが多いです。
ですが彫刻修復は違います。
設計図もありませんし、作者も不明。
まして今回は、折れた手そのものがなくなっていました。
つまり、「存在していない形」を想像しながら作らなければいけない。
どんな角度だったのか。
どんな力で赤ちゃんを支えていたのか。
彫刻全体の姿勢や重心を見ながら、少しずつ形を考えていきます。

修理というより、昔の作者と一緒に続きを作っている感覚に近いですね。
実際に“抱える形”を見ながら考える

今回、手の形を考えるために、妻にモデルになってもらいました。
実際に赤ちゃんを抱えるような姿勢をしてもらい、腕や手首の角度、指の向きなどをスケッチしていきます。
木工修理は、ただ木を削る仕事ではありません。
身体の動きや、重さのかかり方。
その人がどんな姿勢で生きていたのかまで想像しながら形を作っていきます。
白い木から、少しずつ手を作る
まずは新しい木材を合わせ、失われた左手の大まかな形を削り出していきます。
今回のリールでは、まだ白い木の状態ですが、この段階がとても大切です。
ほんの少し削るだけで、表情が変わる。
角度が違えば、赤ちゃんを支える力の感じ方まで変わってしまいます。
見ていると、彫刻を直しているというより、“命を戻している”感じがします。

ありがとうございます。修理って、単に元に戻すだけじゃないんですよね。
その作品が持っていた空気感まで戻したいと思っています。

最後は“違和感を消す”
形ができた後は、元の彫刻に合わせて黒く塗装していきます。
新しく作った部分だけが浮かないよう、色や艶を何度も調整しながら、一体感を出していきます。
修理というのは、「ここを直しました」と主張するよりも、自然に存在している状態が理想です。
最終的に、最初からそこにあったように見える。
そこを目指しています。
最近、修理のご相談が増えています
最近、小原のところにはさまざまな修理相談が届くようになりました。
・机や椅子などの家具修理
・古い建具やドア
・ヨットの木製パーツ
・弦楽器の修復
・木彫作品
・思い出の小物
無垢の木でできているものなら、大抵はなんとかできます。
壊れて終わりではなく、直しながら使い続ける。
そんな感覚が、少しずつ戻ってきているのかもしれません。

木工塾でも、「木を読むこと」を大切にしています
葉山ウッドワークスの木工塾では、家具づくりだけではなく、「木を読む感覚」も大切にしています。
削る。
考える。
直す。
また削る。
その繰り返しの中で、少しずつ木と対話できるようになっていきます。
最近は、「自分で家具を直してみたい」「古いものを大切に使いたい」という理由で来られる方も増えてきました。
もちろん初心者の方も大歓迎です。
葉山ウッドワークス|ショップ情報
葉山ウッドワークス
〒240-0111 神奈川県三浦郡葉山町上山口2974-3
(ファミリーマート葉山町店の向かい側)
電話番号:090-3533-0772
営業日:木・金・土曜
営業時間:12:00〜18:00
ホームページ:https://wood.hayama-studio.com
木工塾・修理のご相談は、InstagramのDM、ホームページのお問い合わせフォーム、お電話からお気軽にご連絡ください。
まとめ
修理という仕事は、壊れたものを元に戻すだけではありません。
失われた形を想像し、
その作品が持っていた時間を、もう一度つなぎ直していく仕事です。
今回のアンゴラの彫刻修復も、そんな時間でした。
葉山ウッドワークスでは、家具・楽器・木彫・木製品など、さまざまな修理のご相談を承っています。
「これ、直せるかな?」
そんなご相談も、ぜひお気軽にお持ちください。
読んでくださって、ありがとうございました。
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