【家具職人の右腕:かんなとともに歩む職人の道】


オープニング:かんなが紡ぐ職人の物語

こんにちは、Hayama Woodworks Studio(ハヤスタ)の小原です。
家具作りを語るうえで欠かせない道具、それが「かんな」です。木材を滑らかにし、美しい仕上がりを生み出すこの道具は、私たち職人にとっての「右腕」ともいえる存在です。

しかし、かんなはただの道具ではありません。その奥深さは、道具そのものを知ることで初めて分かるもの。今日は、かんなにまつわる話をお届けします。

家具を愛する方も、DIYに興味のある方も、ぜひ最後までお付き合いください。きっと、「かんな」という道具の魅力を新たに感じていただけるはずです。


1. かんなが支える家具職人の仕事

かんなは木材を削るための道具ですが、その役割は単純ではありません。木の表面を整えるだけでなく、木材の特性を最大限に引き出す重要な役割を担います。

特にオーダーメイドの家具では、さまざまな種類のかんなを使い分けます:

  • 内丸かんな:丸い棒状の加工用。
  • 四方そり台かんな:椅子の座面のような曲面用。
  • 面取りかんな:板の角を均一に削るのに適しています。

使用するかんなは、その日の作業内容や木材に合わせて選びます。職人にとって、かんなはただの道具ではなく、作品を形作るパートナーです。


2. かんなを手にする職人のこだわり

かんなは精密で繊細な道具です。その性能を最大限に発揮するためには、日々のメンテナンスが欠かせません。例えば、湿度や使い方によって台が狂うことがあるため、その都度調整を行います。

私は自分のかんな台を「白カシ」という木材で自作しています。さらに、湿度管理のためにクーラーボックスに乾燥剤を入れて保存する人もいるほどです。私は桐の箪笥に保管していますが、こうした工夫も職人ならではの知恵ですね。

ぺり

先生、そこまで手間をかけるんですね。どうしてですか?

小原

道具が整っていると仕事がスムーズに進むんです。それに、かんなの刃がよく切れると、削るのが楽しくなるんですよ。


3. 手仕事を支えるかんなの役割

たとえばテーブルのような広い面を削る場合、以下のような段階を踏みます:

  1. 荒削り:木目に直角に削る1枚刃のかんなで表面を整えます。
  2. 中削り:木目に沿って削る2枚刃のかんなで滑らかにします。
  3. 仕上げ削り:極薄のかんな屑を出す仕上げ用のかんなで美しい仕上げを施します。

この工程を経ることで、木材が本来持つ美しさを引き出すことができるのです


4. サンダーを使わず、かんなを選ぶ理由

サンダーも便利な道具ですが、かんなの方が圧倒的に効率的です。例えば:

  • 広い面を短時間で均一に仕上げられる。
  • 木目を生かしながら滑らかな仕上がりにできる。
  • サンダー特有の振動や粉塵が少なく、作業が快適。

刃がしっかり研ぎ澄まされていると、作業が驚くほどスムーズに進みます

小原

汗だくになりながら削り続ける時間も、どこか爽快感がありますね。次の日は筋肉痛になることもありますが、それも仕事の一部です。そんな日はビールを飲めば、早めに回復します!

ぺり

良い回復方ですね!


5. 道具への愛着が生む家具の美しさ

最近では使い捨ての替え刃式かんなも普及していますが、私は昔ながらのかんなを大切に使っています。

手間はかかりますが、一つひとつの道具を丁寧に手入れし、長く付き合うことで、仕事そのものへの愛着も深まるのです

ぺり

自分の道具をメンテナンスするのは家具屋の基本なんですね。
ますます先生の家具への愛着が湧いてきました。


サマリー:家具と道具を愛するすべての人へ

かんなは、家具職人にとって単なる道具ではありません。それは、木材の美しさを引き出し、職人の仕事を支える「右腕」のような存在です。

例えばハヤスタで制作している無垢材のオーダー家具やスツール。その美しい木目や滑らかな仕上がりは、この「かんな」によって生み出されています。一見シンプルに見える家具の裏側には、道具と向き合い、一つひとつ丁寧に削り出す職人の技が隠れているのです。

家具を愛する方、DIYに挑戦してみたい方、かんなを通じてその深い世界を感じてみませんか?

ハヤスタでは、かんなの使い方を含めたDIY講座や、無垢材を使用したオーダー家具の制作も承っています。ぜひ一度足を運んでみてください。あなたの手で作り上げる家具、または職人が手掛けた家具は、きっと特別なものになるはずです。

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