最近、小さな箱を作っています。
名刺入れと、眼鏡ケースです。
名刺交換のとき。
眼鏡を取り出すとき。
ほんの一瞬ですが、その人の印象をつくる道具です。
私は40年、注文家具を作ってきました。
けれど、自分が毎日持つ道具ほど難しいものはありません。

こんにちは、小原です。
ハヤスタで家具や木工品を作っています。
これまで10年に一度くらいの間隔で、小物の個展やグループ展にも出品してきました。
置き時計、茶托、コースター、お盆、トレー、額縁など。
拭き漆で仕上げたり、塊から彫り上げたり。
家具とは違う楽しみがそこにはありました。
若い頃から、年を取ったら山小屋のような環境で、
木彫りの器や箱物をのんびり作れたら楽しいだろうと思っていました。

体の変化と、小さな箱
昨年末、肩の手術をしました。
その時に、自分の体力が少し変わってきていることに気づきました。
それなら、体力のあまりいらない小さな箱を作ろう。
そんな気持ちになりました。
一昨年、小さな木彫りの家を3つ作る機会がありました。
思いのほか楽しく、それが今回の小さな箱づくりにつながっているように思います。
箱は、切って貼れば形になります。
でも、それではつまらない。
最低限の電動工具を使い、塊から彫ったり、組み合わせたり。
試行錯誤しながら形にしています。
私が世間から問われていることがあるとすれば、
素材の木を、美しく、そして長持ちする形にすることだと思っています。

もったいなくて使えなかった木

長年家具を作っていると、どうしても手を付けられない板があります。
そのひとつが、黒柿です。
黒柿は、柿の木の中でもごく稀に現れる黒い模様を持つ材で、
墨を流したような濃淡が入り、同じ表情は二つとありません。
古くから銘木として扱われ、床柱や茶道具にも使われてきました。
家具にするには小さい。
けれど、ただ仕舞っておくには惜しい。
10個ほど試作を重ね、ようやく納得のいく名刺入れがひとつ出来ました。
手に取るたびに、やはり黒柿は特別だと感じます。
ただ、まだ黒柿は売る決心がついていません。
もったいなくて、手放す勇気が出ないのです。
それでも、この木を美しく長持ちする形にするのが私の仕事だと思い、
少しずつ形にしています。もう一つ納得のいくものができた時に、手放そうと思っています。
それまで少しお待ちください。

名刺入れ ー カエデ
黒柿は、まだ手放す決心がついていません。
けれど、同じように大切にしてきた木があります。
それが、カエデです。

カエデは、きめが細かく、明るくやわらかな木肌を持つ木です。
派手さはありませんが、静かな品の良さがあります。
名刺を差し出すとき、その人の印象を少しだけ整えてくれるような木です。
寸法・仕様
外寸:115×70×18mm
内寸:94×59×8mm
重さ:約67g
軽く、手に収まる大きさで、持ち運びにも負担がありません。
私もこの名刺入れを使っていますが、打ち合わせのたびに「素敵ですね」と声をかけられます。
そして、この名刺入れには小さなこだわりがあります。

蓋とボディーは、もともと同じ一枚の木から削り出しています。
加工の過程でわずかに削られるため、完全にぴたりと一致するわけではありませんが、
年輪の流れはきちんとつながっています。
木目が上下で続いていることに気づく方は少ないかもしれません。
けれど、そういうところにこそ職人の仕事があると思っています。
さらに、蓋を閉める方向を間違えないように、
蓋と本体の間に「Hayama Woodworks Studio」のロゴを小さく刻んでいます。
目立たない場所ですが、繊細なデザインとして仕上げました。

木は主張しすぎません。
けれど、確かに存在感があります。
カエデの名刺入れは販売を始めました。
もし気に入ってくださる方がいれば、嬉しく思います。
これから、他の木でも作って行くつもりですのでお楽しみに!

眼鏡ケース ー 神代タモ

眼鏡ケースは神代タモで制作しました。
寸法・仕様
外寸:170×42×55mm(高さ)
内寸:143×28×43mm(高さ)
重さ:約101g
軽く、持ち運びしやすく、老眼鏡や普段使いの眼鏡をやさしく包みます。

神代タモは、長い年月を地中や水中で過ごし、自然に色が深くなったタモ材です。
年輪に黒い線が入り、独特の陰影を持ちます。
同じ模様は二つとありません。
この眼鏡ケースも、蓋と本体は同じ木から削り出しています。
年輪が上下で静かにつながっています。
木のケースに入れるだけで、日常の道具が少し特別に見えるのが不思議です。

名前を刻むこと
レーザーで名前を入れることもできます。
記念品やギフトとしても良いでしょうし、
自分のための道具として使うのも良いと思います。

これから
家具とは違い、小さな箱は静かな世界です。
大きな家具を作る40年の中で、
ようやくこういう小物に戻ってきたような気もします。
もし興味があれば、販売ページもご覧ください。
無理に売るつもりはありませんが、
気に入ってくださる方がいれば嬉しいです。

2026.2.27
小原
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