こんにちは、ハヤスタの小原です。毎年、私は仕事のペースを季節ごとに合わせています。木工や家具作りには、ただの「作業」ではなく、自然のサイクルや木材の特性を考慮して行うべき「タイミング」があります。今日はその一年を振り返り、私がどんな仕事をしているのか、少しお話ししようと思います。
冬の仕事:原木の仕入れと準備
冬の仕事は、木工にとって非常に重要です。特に広葉樹は冬に葉を落として、水分を吸い上げなくなるため、伐採には最適な時期となります。この時期に切られた木は、カビや虫がつきにくく、木材として非常に使いやすくなるのです。冬は原木市場に多くの木が集まるため、私は頻繁に市場に足を運び、良い木を探して競りに参加します。
また、冬の特長的な作業は、曲げ木のスピンドル作りです。スピンドルとは、椅子などの家具で使われる、円筒形の細長い木の部品のことです。これには、丸い鍋でお湯を沸かし、木を煮てから曲げるという手間がかかります。
温度差が激しい冬の中で、しっかりと作業を進めなければなりません。
冬にスピンドルを作るのは、大変そうですね!寒い中での作業、頑張ってますね。
はい、暖かく感じる瞬間もありますが、決して温かい環境ではないんです。ただ、薪ストーブの火を見ながらの作業は、心地よいですね。
春の仕事:製材と板の管理
春になると、冬に仕入れた原木を製材します。製材した板は湿っているので、できるだけ早く風通しの良い場所で乾燥させることが必要です。私は板に桟木を入れて積み上げ、梅雨に備えてトタンで屋根をかけます。これによって板が湿気で反ったりねじれたりするのを防ぎます。春は、在庫の状態をチェックし、どの木材がどんな家具に使えるかを確認する大事な時期でもあります。
板って湿気を吸って反ったりするんですね。春にしっかり管理することで、いい家具が作れるんですね
梅雨の仕事:拭き漆と刃物の手入れ
梅雨の時期は、湿度が高く温度も20℃程度とちょうど良いので、拭き漆(うるし)作業を行います。展示会用の試作品や小物を、この時期に一気に塗ります。漆は湿度と温度が適度にあると乾きやすいので、この時期に集中して作業を行うことが重要です。
また、刃物の手入れもこの時期に行います。普段使うカンナやノミは毎回研いでいますが、あまり使わない刃物は、この時期にしっかりと調整しておかないと、使い方を忘れてしまいます。年に一度の調整は、家具作りの精度を保つためにも欠かせません。
夏の仕事:乾燥と下ごしらえ
暑い夏は、主に下ごしらえの季節です。乾燥の済んだ荒板を削ったり、椅子の部品を作ったりします。湿度の高い夏は木が膨張しているため、秋や冬に使う際に縮んでしまうことがあります。このため、夏の間にしっかりと下ごしらえをしておくことが大切です。また、特に幅広の板など、湿度に影響を受けやすいものは反り止めをしっかり施しています。
なるほど、夏は湿気で木が膨らんでしまうから、下ごしらえをしっかりやっておくんですね。
秋の仕事:展示会準備とストーブの薪割り
秋になると、展示会に向けての試作品作りを行います。年に数回開催する展示会では、新しいデザインや新しい素材を使った作品を発表します。秋はまた、ストーブの薪割りや工房の片付けをする季節でもあります。寒い冬に備えて、ストーブ用の薪を準備しておきます。
秋は展示会の準備や薪割りもやるんですね!仕事がたくさんですね。
サマリー:一年を通じた木工の仕事とその大切さ
こんな季節の繰り返しの他、通年で注文の家具を作り、土場の整理、建物の補修、草刈りなど、一人でやってます。
これらが、ハヤスタの一年の仕事の流れです。季節ごとにやるべきことが決まっているので、一つ一つ丁寧に作業を進めていきます。木は自然のものですから、温度や湿度など環境に非常に敏感です。それをしっかりと理解して、最適なタイミングで仕事を進めることが、私にとってはとても大切なことです。
木工に興味がある方、またDIYに挑戦してみたい方には、ぜひこの一年の流れを参考にしてもらいたいですね。どの季節も、しっかりと準備をしておくことが、質の高い家具作りに繋がります。
ハヤスタでは、こだわりを持って作られた家具を提供しています。ぜひ、私たちの製品やDIYワークショップに参加して、一緒に木工の魅力を体験してみてください。
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